【獣医師監修】犬に甘酒をあげても大丈夫?アルコールに関する注意点や健康面でのメリット、1日の適量について解説

【獣医師監修】犬に甘酒をあげても大丈夫?アルコールに関する注意点や健康面でのメリット、1日の適量について解説

日本の伝統的な甘味飲料である甘酒。3月3日のひな祭りには、ちらし寿司やひなあられなどと一緒に、甘酒をいただいてお祝いをする方も多いでしょう。せっかくなら愛犬と一緒にお祝い気分を楽しみたいものですが、犬に甘酒を与えても大丈夫でしょうか? また、甘酒は「飲む点滴」と呼ばれるほど、栄養価が高いことで知られていますよね。犬が摂取することで何かメリットがあるのでしょうか。今回は、獣医師の丸田香緒里先生に教えていただいた、犬に与えても良い甘酒の種類や健康面への影響、与える際の注意点などを解説していきます。

犬に甘酒を与えても大丈夫?選ぶ際の注意点は?

犬に甘酒を与えても大丈夫?_甘酒

甘酒は、米麹や酒麹を使ってつくられる飲み物です。「酒」と名前に入っているので、アルコールが入っていると思われがちですが、使う麹の種類によってアルコールの有無が変わります。

 

犬に甘酒を与える場合には、アルコールが含まれていない「米麹」を原材料とした米麹甘酒を選びましょう。米麹甘酒は、米に麹を加えることで、米のでんぷんが分解されブドウ糖やオリゴ糖に変化しています。分解されたブドウ糖やオリゴ糖は体に吸収されやすい糖分なので栄養補給に適しています。一方、「酒麹」を使った酒麹甘酒はアルコールが含まれているため、犬に与えてはいけません。以下、米麹甘酒について説明していきます。

子犬や老犬(シニア犬)に甘酒を与えても大丈夫?

犬に甘酒を与えても大丈夫?_シニア犬

米が分解されている甘酒は、消化吸収が良く、栄養補給としておすすめです。また、甘酒は飲み物なので喉に詰まらせる心配がなく、子犬や老犬にあげても問題ありません。

犬に甘酒を与えるメリットは?

犬に甘酒を与えても大丈夫?_甘酒

犬に甘酒を与えた場合、さまざまなメリットがあります。具体的に解説していきます。

 

疲労回復

甘酒に含まれるブドウ糖は、体内でエネルギーとして利用されやすい形となった糖分です。運動後など、疲れているときに適量飲ませることで、疲労回復などの効果が期待できます。

 

腸内環境を整える

甘酒には食物繊維やオリゴ糖が含まれています。腸内細菌の働きを助け、腸内環境を整える効果が期待できます。

 

栄養補給

アミノ酸やビタミンなども豊富に含まれるため、食欲が低下している犬に与えるのもおすすめです。

 

甘酒にはどんな栄養素が含まれている?犬に与える健康面の影響は?

犬に甘酒を与えても大丈夫?_甘酒

米と米麹というシンプルな材料でつくられる甘酒ですが、さまざまな栄養素が含まれています。どんな栄養素が含まれ、犬にどんな影響があるのか見ていきましょう。

 

ブドウ糖

疲労回復などの効果が期待できる、ブドウ糖が含まれています。ブドウ糖は、体内でエネルギーとして利用されやすい形に分解された糖分です。

 

食物繊維、オリゴ糖

食物繊維やオリゴ糖は、腸内細菌の働きを助け、腸内環境を整えてくれる効果が期待できます。

 

必須アミノ酸10種類

必須アミノ酸とは、体内でつくることができないため食事から補給するしかないアミノ酸のことを指します。犬の場合は、アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、バリン、ロイシン、メチオニン、スレオニン、リジン、トリプトファン、フェニルアラニンの10種類です。甘酒には、この必須アミノ酸10種類が全部入っているので、非常にバランスのいい栄養分といえます。

 

酵素など

ビタミンやミネラルも多い甘酒ですが、発酵食品ですので、様々な酵素が含まれていることが最大の特徴です。消化吸収を助ける酵素や、体の代謝に必要な酵素など、300種類以上の酵素が含まれるといわれています。

甘酒を与えないほうがいい犬は?持病がある犬に与えても大丈夫?

犬に甘酒を与えても大丈夫?_肥満犬

甘酒に含まれるブドウ糖は、体内に入った際に有効に使われる栄養素ですが、悪性腫瘍の細胞が利用できる栄養素でもあります。悪性腫瘍(ガン)を持っている子にはおすすめできません。

 

また、生体内で利用されやすい形となっている糖分(ブドウ糖)を多く含む食材なので、脂肪に変換されやすく、肥満の犬にはあまり与えない方がいいでしょう。

 

犬に甘酒を与えることで発生する可能性があるアレルギーや中毒症状はあるの?

米麹甘酒は米からつくられるため、米アレルギーを持っている子は、かゆみや下痢などの症状が起きる可能性があります。中毒はありませんが、米アレルギーの子には与えない方がいいでしょう。

犬に甘酒を与えるときの適量は?

犬の体重別に与える量の目安は、次の通りです。

 

体重3㎏までの小型犬の場合、1日あたり20g 

体重10㎏までの中型犬の場合、1日あたり60g 

体重20㎏以上の大型犬の場合、1日あたり100g

 

与えすぎはNG

甘酒のカロリーは100gあたり約81kcal、糖質は100gあたり17.9gと、ともにかなり高いので、与えすぎないようにしましょう。また、原材料が米と米麹だけの甘酒でも、米がブドウ糖に分解されているため、かなりの甘みを感じます。

 

上記の量はあくまで目安なので、犬の状態や持病など気になる点がある場合には、獣医師に相談してから与えましょう。

犬に与える甘酒のおすすめの温度や食べさせ方は?

犬に甘酒を与えても大丈夫?_運動後に水分補給する犬

犬に与える甘酒の温度は、30℃以下にして与えましょう。甘酒は酵素を多く含む食材です。酵素は60℃以上で効果がなくなる(失活する)といわれているので、温める際は温度が高くなりすぎないように気を付けてください。また、与える際にはやけどをしないよう、30℃以下程度に冷めていることを確認してからあげましょう。

 

甘酒を水で薄め、運動後の飲み物としてや、ごはんやおやつのトッピングとして与えるのがおすすめです。また、甘酒のレシピはシンプルなので、お米と米麹を使って飼い主さんが家庭で手作りすることもできます。市販の犬用甘酒や甘酒スティックをあげるのもいいと思いますよ。

監修/丸田香緒里先生(獣医師)


Animal Life Partner代表。
往診専門動物病院アニマルライフパートナー院長。
日本大学生物資源科学部獣医学科卒業。

 

大学卒業後、6年間の横浜市内の動物病院勤務を経て、「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partnerを設立。ペット栄養管理士など様々な資格を生かし、病院での診療や往診のほかに、セミナー講師やカウンセリング、企業顧問、製品開発など活動は多岐にわたる。

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著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

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