【獣医師監修】犬にさくらんぼをあげても大丈夫?種に関する注意点や健康面でのメリット、1日の適量などについて解説

【獣医師監修】犬にさくらんぼをあげても大丈夫?種に関する注意点や健康面でのメリット、1日の適量などについて解説

見た目も可愛いらしく、つい愛犬と一緒に写真を撮りたくなってしまうさくらんぼ。ビタミンAやビタミンCが含まれているため美肌効果も期待されるなど、人にとっては嬉しいフルーツですが、犬が食べても問題はないのでしょうか? 今回は、獣医師の鈴木佐弥香先生に教えていただいた、犬にさくらんぼを与える健康面でのメリットや注意点などについて解説していきます。

犬にさくらんぼを与えても大丈夫?

犬はさくらんぼを食べても大丈夫です。さくらんぼは、糖分やミネラル、ビタミンなどから構成される果物なので、健康を害することはまずないでしょう。しかし、実以外の種には「アミグダリン」という毒素が含まれているため注意が必要です。

子犬やシニア犬にさくらんぼを与えても大丈夫?

さくらんぼには葉酸が含まれており、発育にもよいので成長期の子犬や妊娠中の犬でも食べることができます。もちろん、シニア犬が食べても問題ありません。むしろ、βカロテンやポリフェノールも含まれているため、シニア犬の健康の維持にもいいでしょう。

さくらんぼに含まれる栄養素と、犬に与える影響は?

犬にさくらんぼをあげても大丈夫?_犬、さくらんぼ

さくらんぼに含まれている栄養素と、犬に与える影響は以下の通りです。

 

ブドウ糖

脳の働きや筋肉を動かすエネルギー源となります。

 

葉酸

葉酸はビタミンBの仲間で、細胞の発育や機能を正常に保つために必要な栄養素です。ビタミンB12とともに赤血球を作る働きがあるため、造血ビタミンとして知られています。人間でも妊婦さんが飲むことを推奨されているように、妊娠中の犬にとってもお腹の中の赤ちゃんの発育に大切な栄養素です。

 

ビタミンC

ビタミンCには、健康的な血管や歯、骨を保つのに必要なコラーゲン合成作用や、免疫力を高めたりがんや動脈硬化の予防につながる抗酸化作用、ストレスに強くなる副腎皮質ホルモン合成促進作用などさまざまな利点があります。

 

鉄分

さくらんぼには、鉄分が多く含まれています。果物のなかではトップクラスの含有量で、主に赤血球内でグロビンと結合し、ヘモグロビンとして酸素を全身へ運搬する働きを担っています。鉄分が不足すると、貧血になったり毛艶がなくなったり、疲れやすくなるといった症状がみられます。

 

カリウム

ミネラルの一種であるカリウムは、細胞内液の浸透圧を調整し、筋肉や心筋、神経を正常に保つ作用があります。むくみや高血圧にも効果を発揮します。

 

βカロテン

βカロテンは体内でレチノールに変化し、ビタミンAとして作用するため「プロビタミンA」と呼ばれています。βカロテンには活性酸素を抑制し老化や癌を予防する、免疫力を高める、目や皮膚、粘膜を健康に保つといった効果があります。

 

アントシアニン

ポリフェノールの一種で、アメリカンチェリーに多く含まれています。視力改善作用や眼精疲労回復、抗酸化作用、抗炎症作用などがあります。

 

また、東洋医学では、さくらんぼには身体を温める効果があると言われています。様々な栄養素がバランス良く含まれているので、犬の健康にも役立ってくれることでしょう。

犬にさくらんぼを与える際の適量は?

体重1kgあたり3gを目安に与えましょう。さくらんぼの種を取り除いた1粒の半分がおよそ3gにあたります。

犬にさくらんぼを与えるときの注意点は?

さくらんぼの種には、「アミグダリン」という毒素が含まれており、最も注意が必要です。犬にさくらんぼを与える際は、必ず実だけを与えましょう。中毒以外の観点からも、さくらんぼの果柄や種は、喉に引っかかったり、窒息や腸閉塞を引き起こしたりする恐れがあるため、犬に与える際は必ず取り除いてください。

 

さくらんぼの実を与える際の注意点としては、「ソルビトール」という成分に気をつけて。少量を食べるくらいであれば便秘改善に効果がありますが、大量に摂取してしまうと腹痛や下痢を引き起こす恐れがあります。目安を守って、与えすぎないように注意しましょう。

 

この他、糖分が高いさくらんぼは、ダイエット中の犬は避けたほうがベター。身体を温める作用があるので、熱を出しやすい犬も控えた方が無難です。

持病のある犬にさくらんぼを与えても大丈夫?

糖尿病の犬、過去に糖尿病になったことがある犬は、さくらんぼを食べないほうがよいでしょう。糖分が高く、病気が悪化してしまう可能性があります。

犬にさくらんぼを与えることで発生する可能性があるアレルギーや中毒症状はあるの?

犬にさくらんぼをあげても大丈夫?_犬、さくらんぼ

犬にさくらんぼを与えたことで、アレルギーが発症する確率はゼロではありません。初めてさくらんぼを与える際は、必ず少量からスタートし、アレルギー症状が出ないかを注意深く観察しましょう。アレルギー症状が出た場合には、目の腫れや充血、体を痒がる、下痢や嘔吐といった変化が現れます。

 

また、さくらんぼの種に含まれる毒素「アミダグリン」によって、ときにはアミグダリン中毒を引き起こします。犬がアミグダリン中毒を起こすと嘔吐、呼吸困難、肝障害、運動失調などを引き起こし、最悪の場合は死に至るケースもあります。

 

アミグダリン中毒が起こるメカニズムは、犬がさくらんぼの種を噛み砕いて飲み込んでしまうことから始まります。噛み砕かれた種が腸内で分解され、「シアン化水素」を犬の体内で発生させてしまいます。このシアン化水素は毒性が強く、殺虫剤や殺鼠剤に含まれることもある成分です。シアン化水素によって、細胞のエネルギー産生が阻害されてしまうのです。

 

アレルギーも中毒も、最悪の場合は犬の命を落とすことにもなりかねないので、飼い主が「大丈夫だ」「様子を見よう」と判断するのはとても危険です。少しでも様子がおかしいと思ったら、必ずかかりつけの獣医師に相談しましょう。また、その際には「いつ・どこで・どれくらいの量」のさくらんぼを食べたのかも、必ず伝えるようにしましょう。もし、食べかけのさくらんぼが残っていたら、一緒に動物病院へ持っていくとよいでしょう。

犬にさくらんぼを与えるときのおすすめの方法は?

さくらんぼを犬に与える際は1粒を半分に切り、おやつ水分補給として与えましょう。種には有毒成分が含まれているので、取り除くのを忘れずに。さくらんぼの皮はそのまま食べることができますが、咀嚼力の弱いシニア犬の場合は、取り除いてすりつぶしてから与えてください。また、小型犬は飲み込みやすいように小さく切ってあげるとよりいいでしょう。

犬にさくらんぼを使用した加工食品を与えても大丈夫?

犬にさくらんぼをあげても大丈夫?_犬、さくらんぼ

さくらんぼを使用した加工食品といえば缶詰やジャムなどがありますが、人間用の加工食品には多量の砂糖や添加物、着色料が含まれています。犬の健康には決してよくありませんので、犬には与えないでください。


※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。

監修/鈴木佐弥香先生(獣医師)

酪農学園大学卒。公務員、製薬会社勤務を経て産後動物病院に転職。現在は、メディカルアロマや栄養学についても勉強中。自宅で猫、実家で犬を飼っており、最近は自宅でも犬をお迎えしようか検討中。

監修者の他の記事一覧

著者プロフィール

わんクォール編集部

わんクォール編集部

カインズ・ペットメディア推進室のWanQol編集チームです。わんちゃんとオーナー...

詳しく見る

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE